ソケットツール

ソケットツール

ケットツールとはラチェットハンドルとソケットコマの組み合わせで大小さまざまなボルトやナットを回転させる、プロの整備士も絶賛の工具です。 ソケットコマを取り替えることでたいていのボルトにフィットするので、これさえあればスパナやレンチの出番も激減するのではないかと噂されるほどの潜在能力を秘めた専門家も愛用している素晴らしいアイテムで、工場勤務の整備士だけでなく日曜大工の大好きな普段は歯科医院に勤務しているパパさん、中古艇を購入して週末は整備したり沖へ出かけているフリーアルバイター、注文住宅を設計してもらったけど当然のように広い工作室のスペースを各階に確保するような人も愛用しています。 なぜソケットツールがそこまでの人気を誇るのか、所有者でなくとも数回使ったことがあるのなら理解して頂けるかと思いますが、自動車のエンジンルームやボートのエンジン周辺は空間(スペース)があまりないためレンチをグルグル回すことが困難であり、そんな狭いスペースでも楽々と作業できるソケットツールが重宝されるのです。 スパナやレンチだと360度開けた場所で作業をするのでなければ、ボルトを何度か回転させたら障害物に邪魔をされるのでそれ以上回転させることが出来ず、一旦抜いて回しやすい位置で再び差し込みボルトを回転させる作業を繰り返します。 自動車のエンジンルームにどれだけの空間があるか作業スペースが確保されているか、毎週日曜の午前10時にボンネットを持ち上げて中を覗き込む習慣をお持ちの見習い整備士なら誰でも知っていることですが、ほとんどありません。 ボンネットを開いても中に人間ひとり収納できるスペースもなくオートバイも無理、スイカも無理だけどカボチャならなんとか入る位しかありません。 そんな場所で整備点検のためボルトを回さなければならないので、通常のスパナだけで作業を進めるのはとても大変です。 少し回しては抜いて挿し直してまた回し、を繰り返すのです。 ですがラチェットハンドルは回転部にギヤ機構を持っているので、ボルトにソケットを挿しっ放しのまま何回転でもグルグル回し続けることが可能になります。 時計回りにボルトを回すときにはそのままで、反時計回りにハンドルを引き戻す時はボルトはそのまま動かさず、再び力を込めやすい位置まで戻せるのです。 どちらの回転だけを有効にするかは任意に設定できるので締めるのも緩めるのも自由自在、あなたの好きなように決められます。 壊れる気が全くしない丈夫そうなレンチに比べると複雑なギヤ機構を搭載している分若干耐久性で劣りますしパワー不足も気になるところですが、作業のしやすさと使い所の多さはマイナスドライバーにも劣りません。 エンジンを取り外そうとかマフラーを交換しようとか大掛かりな整備でなければ、エンジンオイルの交換程度のメンテナンスならソケットツールだけで間に合うでしょう。 それでも長く使えるように耐久性に拘りたいのなら、ソケットのコマよりも大事なのはラチェットハンドルの方になるのでここにお金をかけて有名メーカー製のものにして、ソケットはそれなりのメーカー製で手を打つのも妙手です。 自動車の整備で使うのならソケットコマは8ミリから22ミリまでを揃えたいので、バラバラに買い揃えるのではなくセットになっている製品を買うのがお得です。 そのほうが金額も安く済みますしスッキリ収納を考慮しても便利です。 紛失してしまったらその穴を埋めるために単品で購入するしかありませんが、最初に揃える時はセットに勝るものはありません。 またソケットタイプには通常タイプと奥行きタイプのディープソケットがあります。 ディープソケットは通常のソケットの倍以上の長さ(深さ)があるので、車内の奥深く埋もれているボルトを回すのにとってもありがたい感謝の気持ちになる便利なソケットですが、整備に慣れてきて要領を掴んできた中級整備士に昇格するまでは無理して買い揃えるまでもないでしょう。